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生理痛と鍼灸 ~東洋医学的な症状・原因・対策~

2012.04.28

前回は西洋医学では生理痛をどのように考えているかという事についてお話ししていきました。

今回からは生理痛と鍼灸・東洋医学では生理痛をどのように考えているのかお話ししていきます。

当院でも生理痛の治療で来院されている方は多くいます。

しかしながら、主訴が生理痛で来院される方は多くありません。

前回もお話ししたように、生理についてはあまり無頓着というか気にしていない人が多いです。

問診時に私が生理痛についても治療しておいた方がいいなと判断し、患者さんに説明して主訴と一緒に治療していくという形が多いです。

そのままほっておいて、もし不妊になった場合、治療には高額な費用がかかったり、強い精神的なストレスを感じてしまう事も少なくはありません。

後から後悔はしてほしくありません。

こういう事にならないように、私は生理に関しては非常に慎重な考えを持っています。

では本題へ入ります。

生理痛の症状

前回もお話ししたように、生理痛といっても様々な症状があります。
ですので、どの部位がどのように痛むのかを明確にしておかなければなりません。

また生理痛のでる時期、例えば痛みが出やすいのは生理前?生理中?生理後?という事もきちんと把握しておかなければなりません。

出血の量や質も判断材料になります。

多くの方はあまり意識した事がない。というばかりだと思いますので、生理になった時にきちんと患者さん自身でも、症状の把握をして頂くのがとても大切です。

生理痛の原因

生理痛の原因は詳しく分類すれば10種類近くにも及びます。

そしてかなり難しくなってしまいますので、大まかに説明します。

気の滞り
子宮周りの気の滞りが起きる事で生理痛が出現します。
これは例えば運動不足やストレスなどにより、気のめぐりが悪くなる事により、生理の前や初めに出血が出にくくなり、出そうと体が頑張り過ぎて痛みが出ます。
いわゆる月経前症候群(PMS)とも大きな関わりがあります。

血の滞り
上記のような気の滞りが長期間続いたり、冷えや熱など様々な事が原因で、子宮周りの血が滞る事により生理痛が出現します。
こちらも生理前や生理の初めに痛みが出る事が多く、
月経前症候群(PMS)とも関係があります。
刺し込むようなキツイ痛みが出る事もあります。
またこの状態が長期に及ぶ事により、子宮内膜症や子宮筋腫のような疾患に発展する場合もあります。

気や血の不足
体全体的あるいは子宮周りの気や血が不足している状態で、生理になると生理痛が出現する場合があります。
これは生理中や生理後に痛みが出る事が多いです。

生理痛の治療

上記のように何が原因で症状が出ているのかという事を明確にして、その原因について治療を行います。

例えば血の滞りが原因の場合は、血の滞りを解消するようなツボに治療したり、その血の滞りになっている原因を治すような治療をします。

この治療をするにつれて、今まで出ていなかった塊や黒いどろっとした経血が出る事もあります。

これは子宮内に滞って出にくくなっていた血が外に出たという事であり、生理痛改善の大きなポイントになります。

また子宮内膜症や子宮筋腫などの予防・改善にもつながります。

冒頭でもお話ししたように、生理痛をごまかしてきている方が本当に多いです。

将来安心して妊娠・出産するためにも、早目に意識し正しい治療を受ける事がとても大切なのです。