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症例集

【case4】主訴 尿失禁|10歳|兵庫県神戸市在住|男子

主訴の状態

  • H23年9月頃から夜尿及び学校での尿失禁(おもらし)が出現する。
  • 病院で膀胱の収縮を抑える薬、抗利尿ホルモンの薬を処方され服用する。
  • その後夜尿は改善されるが、学校での尿失禁(おもらし)は改善されず。
  • 徐々におもらしの回数も増えて週に3〜4回程になってきたあたりに当院に来院する。

問診情報

  • 小児ぜんそくがあり、幼い頃からよく発作を起こしていた。
  • 今現在も咳こむ事が多く、薬を飲んでいる。
  • 幼稚園児くらいから他の子と比べ、衝動性が強く落ち着きや集中力を欠いていた。
  • 言葉は年相応ながら、文字を書いたり、絵を描いたりという事が苦手である。
  • 病院では広汎性発達障害・注意欠陥多動性障害の疑いがあると診断される。
  • 小学生に入ってから気持ちを落ち着かせ、集中力を高めるといった薬(コンサータ錠)を服用するようになる。
  • 小学校の学年が進むにつれ、他の子との差が大きくなり、本人の不安やいらだちが強くなっていっている。
  • 思うように他の子とコミュニケーションが取れず、人間関係に関してストレスが強い。

東洋医学的な原因(証)

心肝火旺

治療内容

【初回】
背中の神道というツボに刺鍼する。次の日から尿失禁(おもらし)が顕著に減少する。
この後週2回のペースで同様の治療を続ける。
初診から3週間経ち計7回治療を行ったところ、毎週月曜日のみに1回尿失禁(おもらし)がある。その他の日は全く症状が出なくなる。
昔から医師からの指導で日曜日にコンサータ錠を抜くようにしていて、日曜日はテンションがすごくハイになり、 月曜日にどっと疲れが出て、色々調子が悪い様である。

解説

この方の場合の尿失禁は、膀胱や利尿ホルモンが原因で起きているのではなく、過度の緊張感やストレスから来ています。ですからそういう薬を飲んでもあまり効果が無かったのです。
私たちも緊張するといつもと違い、すぐに何回もトイレに行きたくなるといった経験をした事があると思います。その延長の症状なのです。
2学期に入り音楽会や運動会などがあり、緊張感が高まります。この時期に体調を崩す子は比較的多いです。
この子の場合は昔から神経が繊細であり、余分な緊張を受けやすい体質であるので、より疲れも出てしまいます。
鍼で緊張感を抑えて、心と体の疲れを取る事で、症状が劇的に良くなるのです。
引き続き治療を続け、薬を抜いても症状が出ないようにしていきます。
その後は医師と相談しながら、コンサータ錠やぜんそくの薬も減らしていけるように頑張っていきます。
また進展があればお伝えいたします。