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症例集

【case29】主訴 過敏性腸症候群・自律神経失調症 |兵庫県芦屋市在住|中学生

主訴の状態

  • 昨年の4月(中学校に入学して)から刺し込む腹痛(おへそ回り)や胃の痛みが頻繁に起きるようになる。ほぼ毎日1日数回痛みが出ていた。
  • テストや嫌な事があった時などに悪化する。
  • また便秘と下痢を繰り返すようになる。
  • 病院では以前行った腹部の手術の痕に癒着しているのが原因ではと診断される。
  • おそらくこの癒着か自律神経の乱れで、過敏性腸症候群になっているのだという事でした。

問診情報

  • 首から肩にかけてすごく凝りやすい。
  • よく風邪をひく。
  • 手足がかなり冷たい。
  • 疲れやすい。
  • 幼少期に腎臓の症状でopeを受けている。

治療内容

身体と精神的に過度に入っている力を緩める、胃腸の働きを改善することを治療の方針とした、手のツボに一本、背中に二本刺鍼する。

初診の治療直後に手足がポカポカに温まる。
本人もこんなに暖かくなったのは初めてと大喜びでした。

初診の後から腹痛が起きない日も出てくる。
2診目後腹痛は減少。週1回程。
3診目後(2週間後)前回の治療後から腹痛起きていない。
4診目後(2週間後)腹痛起きていない。

この後、テストの時のみたまに軽く痛みが出る時もあるが、 痛みも弱くて、あまり気にならない程度。
便も通常便に戻る。肩こりも今までよりかなり楽になる。
毎回テストの後に1回治療をして疲れをとっています。

解説

今回の少女は非常にがんばり屋さんでした。
みなさんも経験があるかと思いますが、小学校から中学校へ上がると、様々な変化があります。
特に勉強は毎日、予習・復習、更には中間・期末テストまであります。

いつのまにか、そのプッシャーにより、心身共に常に力が入った状態になってしまいました。
西洋医学でいう、交感神経が優位になりすぎている状況。
自律神経失調症と呼ばれる状態です。

この状態が続くと、同じことをしていても他の人よりも疲れやすくなってしまいます。
その疲れが、自分の元々弱い所(今回は胃腸)に悪影響を及ぼしてしまいます。

治療としては、心身共に過剰な緊張を弛める事、たまっている疲れをとる事、胃腸の働きを改善する事を意識して行い、早急に症状が改善出来ました。

鍼灸では、この自律神経を整えるという事に対しては、常に有力な治療法です。

体と心のクセがキツく、長年にわたり様々な症状が出ている人でも、もちろん治療可能です。

一生このまま、腹痛と付き合っていかないといけないのかと、不安に思われていた少女の人生を変える事ができて、非常に嬉しかった症例でした。