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症例集

【case12】主訴 側頭部の神経痛|70代|兵庫県宝塚市在住|男性

主訴の状態

  • 4日程前から左側頭部にピリピリ電気が走った様な痛みが出現。
  • 場所は左耳の上から肩にかけて。
  • 一度痛みがでると、5〜10分程痛みが続く。
  • 一時間のうちに数回痛みが出る。
  • 首を動かしたり、話したり、気を使った時に悪化する。
  • 同様の痛みは今まで感じた事が無い。

問診情報

  • 昨年秋まで仕事を第一線で行っていた。
  • 今年の3月にくも膜下出血を起こし、手術後約3ヶ月間入院。
  • 数年前から左下歯を入れ歯にしている。
  • 来院時の一週間前から術後以来久々に入れ歯をはめている。
  • 一応神経痛の事を歯科医に相談するが、入れ歯もきっちりはまっているので、それが問題ではないという風に言われる。

東洋医学的な原因(証)

肝鬱気滞 空間左上 足少陽胆経の左右差

治療内容

【初診】左手の後谿というツボに置鍼。

初診の直後体のツボの反応がかなり良くなる。

【二診目】

前回治療後から痛みがほとんど出なくなる。(もちろん入れ歯有りで)

たまに一秒くらいピリっと痛む事があったが、それも治療後計3回程だった。

同様の処置を行う。

【三診目】

前回治療後からは全く痛みが出ていない。

背中の左右差がかなりマシになる。

同様の処置を行う。

解説

まず始めにこの方の体の状態(体表観察)は、全体的にツボの左右差がとてもキツく出ていました。
特に顕著だったのが背中のツボでした。

上図の左側の赤のエリア(ツボ)が全体的にガチガチで硬く膨隆していました。
逆に右側の青いエリアが全体的にふにゃふにゃで柔らかく弛緩していました。

この原因の一つとして長年ゴルフが好きで週一回は行っていたという事が挙げられます。
ゴルフはスイング上非常に左右差が起きやすいスポーツなのです。

もう一つの原因は過度の疲労です。
問診から仕事による疲労がとてもキツかった事が分かりました。
疲労が過度に溜まり過ぎると、この様に左右差がきつくなります。

そしてくも膜下出血について。実はこの発症前日に仕事の引き継ぎの最後の書類を記入していました。
この事で、今まで気が張っていたのが一気に緩んだのです。
そして、気が緩んだ時に今までの仕事の疲れや上の様な左右差がどっと出て発症したのだと考えられます。

その後病気によるショック・不安感がとても大きく出ています。

そして久々に入れ歯をはめた数日後から神経痛を発症しています。

これは、元々体の左(上)に気が滞りやすくなっている所に、病気によるストレスが加わり、更に久しぶりに入れ歯をしたことにより、気の左上の横側の気のめぐりが極端に悪くなった事によると考えられます。

入れ歯をしただけで気のめぐりが変わるの?
と思われるかもしれませんが、体は実はとても繊細な物です。

変わる可能性はあります。

逆に鍼一本で様々な症状が良くなるのですから!

早めに治療を受けて頂いたという事が、この様に奇跡的な早さで治った最大の理由でしょう。

おそらくこの方の場合、治療を受けていなかったら、治らず慢性的な神経痛になっていたでしょう。

早期に鍼灸治療を信じ、来院して頂いたその心が良かったのです。

仕事を辞め第二の人生を明るく楽しく過ごせるように、これからも体調を整えさせて頂きます。