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不眠症と鍼灸 ~東洋医学的な症状・原因・対策~

2012.04.10

前回は西洋医学からみた不眠症についてお話ししました。

今回からは東洋医学からみた不眠症についてお話していきたいと思います。

この病も薬を止めたい!!という患者さんが鍼灸院に来院される事が多いです。

薬をずっと飲み続けないといけないのか?この薬が効かなくなったらどうしよう?
という不安に思われている方は実は非常に多いのではないでしょうか。

 

東洋医学的な睡眠のメカニズム

体の陽気が体の中から外に発散している事で活発に活動する事が出来ると考えています。

逆に体の陽気が内側に入ってじっとする事で睡眠という事が起きます。

少し難しいかもしれませんが、何となくイメージが出来ると思います。

また睡眠と覚醒はどちらも心(しん)が、つまり精神が支配しています。

簡単に言うと、精神的に安定・落ち着いている時に睡眠し、精神的に興奮している時に覚醒します。

この精神的に落ち着かしたり・興奮させたりするのが心の働きです。

 

不眠症の原因

上記のように睡眠には大きく心が関わるため、この心に不調が起きると不眠が起きる場合が多いです。

では心ってどうしたら不調が起きるのか?

これはやはり精神的な刺激によるものがほとんどです。

急激なストレスが起きると皆さんイライラしますよね?

 

このイライラが心を襲い、心が熱化する場合があります。

また長期にわたる不安・取り越し苦労などにより、心の疲れにより元気がなくなり、働きが弱くなります。

こういう時に落ち込みやすかったり、元気ややる気が出ないといった症状も随伴してきます。

この様な状態だと前回お話しした入眠障害タイプや熟眠障害になる事が多いです。

不眠症でなくても、イライラして落ち着かない時や考え事をしている時にたまに眠れなくなる事がありますよね。

このような状態の延長で不眠症になる事がほとんどです。

また疲れや加齢などによる体の弱りからも不眠が起きる場合があります。

この場合は前回お話しした早朝覚醒タイプが多いですね。

 

不眠症の治療

やはり第一は心(しん)への治療がメインです。

上記のように心が熱を持っている場合は、その熱を冷まします。

心が弱って不安定な状態になっている場合は、心を助け安定させる鍼を行います。

非常にシンプルですね。

あとは生活環境や習慣も大きく関わる疾患ですので、養生指導をしっかり行って頂きます。

薬をいきなり止めるというのは非常に危険ですので、鍼で体や心の状態を整えていき、お医者さんと相談して薬を減らしていくという感じになります。

人生の1/3が睡眠であると言われています。

ですので『眠れない』という事は非常につらいですよね。

少しでも早くぐっすりと眠れるように、早目の治療が効果的です。